お菓子の知識

「黒い森のさくらんぼケーキ」フォレノワールの意味と定義

ルークです

6月頃からスーパーでもよく見かけるようになるフルーツ、さくらんぼ

さくらんぼを使ったケーキといえば・・・

「フォレノワール」!!!!!!

 

・・・自信満々に言ったけど、フォレノワールって世間的にはまだ馴染みの薄いケーキなんじゃないか説が自分の中であるんです

ケーキ屋さんでも定番メンツとは言えないし、フォレノワールって聞いても「???」ってなる方も多い

 

でもね!!美味しいんだよ!!!

スイーツ好きの中にはフォレノワールマニアも結構いるくらい。

 

今回はそんなフォレノワールについて、

 

○どんなケーキなのか?

○フォレノワールという名前はどんな意味?

○フォレノワールの定義ってあるの?

 

主にこの点について書いていこうと思いまっす!

 

フォレノワールとはどんなケーキ?

フォレノワールには必ずさくらんぼが使われています

これには下で書いている名前の意味も関わってくるんですが、さくらんぼを使っていないフォレノワールは存在しません。いや、あるのかもしれないけど、正式なものじゃない。「フォレノワール風」になっちゃう

 

形に関しては、一番よく見るフォレノワールは丸型ですが、お店で出されるものは長方形が多い気がします。カットがしやすいからかな?

 

こんな風にロールケーキの形にしたフォレノワールもある

他にもアシェットデセール(皿盛りデザート)やパフェなんかの形で出すお店もあります!

 

フォレノワールという名前の意味

 

フォレノワールという名前はフランス語で、Forêt Noireと書きます

そのためフランスのお菓子なのかな?と思われがちですが、実は発祥はドイツなんです

その理由を説明しますね!

 

フォレノワールは日本語で「黒い森」という意味になりますが、この「黒い森」は実在していて、それはドイツ南西部にある森林地帯「Schwarzwald(シュヴァルツヴァルト)」。

「シュヴァルツヴァルト」はドイツ語で、日本語だと「黒い森」。

 

そして、シュヴァルツヴァルトの特産品が・・・さくらんぼ

というわけで、さくらんぼと、さくらんぼのお酒である「kirschwasser(キルシュヴァッサー)」を使い、シュヴァルツヴァルトの黒い森をイメージしたケーキが作られたわけなんです。これがフォレノワールが作られた最初のきっかけです

ちなみにこのケーキのことをドイツでは、「Schwarzwälder Kirschtorte(シュヴァルツヴェルダーキルシュトルテ)」と呼び、日本語だと「黒い森のさくらんぼケーキ」という意味です。

ちなみに現地では、シュヴァルツヴァルト産のキルシュを使用しないとこの名をつけられない、という法律があるらしいです(しゅごい)

 

フォレノワールというケーキが作られるきっかけとなったのは、ドイツにあるシュヴァルツヴァルトという森だということが分かりましたね!

ではなぜフォレノワールというフランス名が広まったか?という話になるんですが・・・

 

実はシュヴァルツヴァルトの森はドイツとフランスの国境にある地域。

そのため、すぐ近くのフランス・アルザス地方でもこの「黒い森のさくらんぼケーキ」がよく作られるようになり、フォレノワールという名前の方が広まっていったのです!

こういった歴史の背景から、フォレノワールはアルザス地方の伝統菓子としても知られています

 

「いや!!フォレノワールなんて名前は認めない!シュヴァルツヴェルダーキルシュトルテ!!ドイツ菓子や!!」

 

って主張してる方をたまに見かけるのですが、不毛な争いというか、どうでもいいですねw

 

ドイツでもフランスでも愛されている美味しいお菓子ということには変わりありません。

フォレノワールの定義

フォレノワールでググると、結構いろんなデザインのものが出てきます

1層のもの、2層のもの、中身もクリームかムースかガナッシュか、はたまた外側はナッペしてるかしていないか、してるならクリームは白か黒か、などなど・・・

果たしてフォレノワールに定義は存在するんだろうか?と思ったので、ちょっと調べてみました。

その結果、

 

「さくらんぼを使っていることは必須だけど、それ以外の定義は日本では特にはない」

 

ということが分かりました。前述したように発祥の地ドイツ・シュヴァルツヴァルトでは、シュヴァルツヴァルトで作られたキルシュを使うことは必須であったりはするけど、日本ではそのへんは決まっておらず、ゆるい感じです

ただ、「基本こんなフォレノワールが多いよ!」っていうのはあります

○さくらんぼを使っている(生でもOKだがキルシュ入りのシロップ漬けにされたものを使うことが多い)

○スポンジはチョコレート(ココア)生地で、キルシュのシロップを染みこませる

○中身はシャンティ、またはチョコレートクリーム。外側のナッペも同じ。

○飾りにはチョコレートを削ったコポーを乗せる

こんな感じ!

 

ちなみに上に飾るクリームは森に降る雪、コポーは雪に落ちる落ち葉を表現しているそうです

最初に作られたフォレノワールが、幻想的な黒い森をイメージして作られたのが分かりますね・・・!

フォレノワールの意味と定義/まとめ

作るのも楽しいよフォレノワール

洋酒を使ったケーキが好きな自分にとってはかなーり好きなスイーツです

この時期(6〜7月)はフレッシュなさくらんぼでコンポート作って作るのがとってもうまうまだし、缶詰でもいろんなチェリーで作れるから楽しい

 

あ、個人的におすすめのキルシュご紹介しておきます

他メーカーのものとは違いさくらんぼの収穫時期にしか製造しないことと、ドイツの伝統的な製造方法を守り丁寧に作られていることから、世界最高品質と言われるキルシュです

3-タンネンの350mlのキルシュを作るのに使われるさくらんぼはおよそ1500個という量だそうな・・・!

さくらんぼの風味が強くてフレッシュ感もあって好きです◎

 

それではまたっ