ルークです
「この白い砂糖(グラニュー糖)とそっちの白い砂糖(上白糖)って何が違うん」
そう思ったことはありませんか、自分はあります
砂糖、甘いお菓子を作るときに欠かせないもの
一般的な家庭でお菓子作りに使われる砂糖って手軽に買えるグラニュー糖とか上白糖が多いと思うけど、そもそも砂糖の種類ってどのくらいあるんだろうか
色が違うのはなんで?さらさら、しっとりと感触が違うのはなんで?
そもそも、砂糖ってなにからできてるん?
今回はそんな砂糖についてのあれやこれやを調べたので書いていこうと思います
砂糖とは
砂糖の原材料
砂糖の原材料は、植物です
一般的に使われる砂糖は大体、「さとうきび」または「てん菜(サトウダイコン、ビートともいう)」からできています
こいつがさとうきび
んでこいつがてん菜
その他として、カナダではサトウカエデからメープルシュガー、タイではサトウヤシからパームシュガーが作られたりします
ではなぜ、植物から砂糖を作ることができるのでしょーか
植物が光合成をする際、成長するためのエネルギーとして「糖」を自分の体に蓄えます
その糖の種類は様々ですが、その中で「ショ糖」を大量に蓄積できる植物であるのがさとうきびやてん菜になります
そう、つまり砂糖の成分のほとんどはショ糖で、光合成によってショ糖を蓄積する植物であるさとうきびやてん菜が原材料となるわけです
ちなみにショ糖はブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)が結合した糖のこと
現在、世界で生産されている砂糖の7割はさとうきびからつくられていて、主な産地は中南米とアジア
てん菜はフランス、ドイツなどのヨーロッパ諸国が有名な産地
日本で消費される砂糖の中で国産の原料から生産されるのは全体の3分の1ほどで、残りはさとうきびからつくられる原料糖というものを海外から輸入して作られたものです
砂糖の作り方と分類
①原料糖(粗糖)
原料糖とは、砂糖の元となる砂糖のようなもので、原料の植物を潰した絞り汁から不純物を取り除いて煮詰め、砂糖の結晶を遠心分離して集めたもの
粗糖とも呼ばれ、一般的によく使われる砂糖はこの原料糖から作られています
原料糖の段階では不純物が多いので、もう一度溶かし、不純物を取り除いて各種砂糖に加工しています
さとうきびから作られる原料糖は海外では南アフリカ・タイ・オーストラリア・グアテマラ・ブラジル・フィリピンなどから輸入していて、国内では沖縄や鹿児島でさとうきびから、北海道ではてんさいから原料糖を作っています
なぜ一度原料糖を作るのかというと、植物の状態のままよりも一度結晶に加工したほうが輸入がしやすいことと、植物のまま放置すると含まれているショ糖がどんどん少なくなってしまうため、なるべく早い段階で原料糖にすることで安定した砂糖作りができるためだそう
これ調べてから家にある砂糖の原材料名を見てみたんですが、ほんとに「原料糖」って書いてありました
なるほどな〜〜〜〜〜〜
②分蜜糖
まず、砂糖は作り方によって分蜜糖と含蜜糖という2つの種類に分けられます
ぶんみつとうとがんみつとう
分蜜糖のほとんどは上にあげた原料糖から作られますが、含蜜糖の中には原料糖を使わず、材料となる植物からそのまま作られるもの(黒糖など)もあります
普段お菓子作りで使われることの多いグラニューなんかは分蜜糖のうち、精製糖に分類され
さらに精製糖からもざらめ糖、車糖、液糖なんかに分類されます
ちょっとややこしくなってきたので図を貼ってみる
こんな感じ
グラニュー糖や上白糖、三温糖などの砂糖となる精製糖の作り方ですが
まず原料糖を溶かし、活性炭やろ過(他にも色々工程があります)を繰り返すことによってきれいきれいにして無色透明な糖液を作ります
その糖液を煮詰めると、砂糖の結晶が出てきます
出来た結晶を遠心分離機にかけて、蜜と結晶とを分離させます
このうち、結晶の方を乾燥させるとグラニュー糖や白ザラ糖などに
蜜の方は再び加熱して結晶を取り出す作業を繰り返し、三温糖や中ザラ糖になります
つまり、同じ精製糖なのに三温糖や中ザラ糖に色が付いているのは、蜜を加熱する際にカラメル反応が起こり茶色く色がつくためなんです
③含蜜糖
含蜜糖とは、原料の植物に含まれるミネラルやビタミンを残したまま作られる砂糖のことで、
基本的に黒糖、加工黒糖、赤糖、きび砂糖、和三盆などがこれにあたります
主な製造法は原料糖を溶かし、ろ過した後、糖液に蜜を加え煮詰め
煮詰めた糖液を冷やしつつかき混ぜて水分を飛ばし、そのまま乾かして粉状にします
ショ糖の結晶を分離しないので、栄養が残ったままの砂糖にできるわけです
あ、そうそう、黒糖と加工黒糖の違いはご存知でしょうか?
黒糖→原料糖を使わずさとうきびの絞り汁のみをそのまま煮詰めて作ったもので、純黒糖、黒砂糖とも呼ばれる
加工黒糖→原料糖・糖蜜などに、黒糖を加えて作ったもので、加工黒砂糖とも呼ばれる
黒糖の方が栄養価的には高くさとうきび本来の味がある反面、収穫時期などで変わるさとうきびの状態によって色や味、成分に変化が出てしまいますが、加工黒糖は味のクセが少なく色や風味も一定に安定させることができます
用途によって2つの黒糖を使い分けると良いですね
ちなみに黒糖の方は原材料名に「さとうきび」とだけ書いてあるので、2つの見分けをつけたいときは原材料名をチェックです
お菓子作りでよく使われる砂糖
グラニュー糖
お菓子作りで一番よく使われる、グラニュー糖
砂糖の中では「ざらめ糖」に分類され、ショ糖の純度がとても高い砂糖です
さらさらとして甘さにクセがなく、液体に混ぜる際に溶けやすいのが特徴
上白糖に比べて焦げがつきにくいので、焼き色をつけたくないお菓子にはグラニュー糖を使うと良いです
ちなみにグラニュー糖の語源は「Granulated(粒状の)」
上白糖
製造工程はグラニュー糖とほぼ同じですが、グラニュー糖ができたあとの蜜を煮詰めたものが上白糖です
そのため、上白糖はグラニュー糖よりはショ糖の純度が低くなります
さらに、最終工程で1%ほどの転化糖が表面にかけられます
転化糖っていうのはショ糖をブドウ糖と果糖に加水分解したもので、それがまぶせられることによってあのしっとりした感触になるわけです
お菓子作りでも、例えばパウンドケーキなんかには上白糖を使った方がしっとりとした仕上がりになります
味の面でもグラニュー糖はクセがなくあっさりした甘みなのに対し、上白糖は少しコクのある甘みを持っているという違いがあります
三温糖
グラニュー糖、上白糖を作った後に残った糖液を数回加熱してカラメル色がついた砂糖
色が茶色なので黒糖やきび砂糖のように栄養価が高いと思われがちですが、色が付いている理由はカラメル化なのでグラニュー糖、上白糖と栄養分はほとんど同じです
独特の風味と香ばしさを生かして素朴な焼き菓子などに使うのがおすすめ
ちなみに三温糖という名前は、3回以上温める(加熱する)という製造方法からついた名前だそうな
粉砂糖
粉砂糖はグラニュー糖を細かく粉状にしたもので、とても溶けやすいのが特徴の砂糖
クッキーに使うとサクサクの食感に仕上がり、また、ケーキのデコレーションにも粉砂糖はよく使われます
和三盆
和三盆とは日本の四国(徳島県や香川県)で作られている高級な砂糖で、和菓子(干菓子)の材料としてよく使われます
和三盆はさとうきびの中でも四国原産の竹糖と呼ばれる種類を使い、伝統的な製造方法によって作られている砂糖です
黒砂糖から雑味を少し取り除いたようなまろやかな味わいで独特の風味があり、淡い黄色をしていて粒子が細かく口どけの良さが特徴的
この和三盆という言葉は、「盆の上で三度研ぐ(手で練る)」という伝統的な製法が由来となっているそうです
カソナード
クレームブリュレに使われる砂糖として有名なカソナードは、フランスで作られている砂糖です
カソナードの原材料となるさとうきびは、インド洋に浮かぶフランス領の火山島やレユニオン島で収穫されます
精製せずに作られる(含蜜糖)ので、通常の砂糖と比べてミネラルなどの栄養分がしっかり残っていて、はちみつやバニラのような独特の甘い風味があります
まとめ
甘いものが好きでたまらない自分にとって、砂糖は神様のような存在です
砂糖がこの世からなくなったら絶望で1週間くらい起き上がれません、多分
そこらへんにはえてた植物の甘い絞り汁をどうにかして結晶にして保存が効くよーにできんか!?ってやってみた人すごい
お菓子作りでも砂糖は欠かせない存在
まだまだ自分の知らない砂糖があるから、作るお菓子によって色々な砂糖を使い分けられるくらいもっと勉強しようと思います
今回は天然のお砂糖について書きましたが、人工甘味料についても知りたい方はこちらも読んでみてくださいね
https://amaiiro.com/about-artificial-sweetener/
それではまたっ