チョコレートの知識

クーベルチュールチョコレートとはなんぞや【規格・メーカー・種類】

ルークです

クーベルチュールチョコレート

って聞いたことありませんか?

「クーベルチュールチョコレートを使ったチョコレートケーキ」とか

スーパーで売ってる板チョコよりグレードが高いのはなんとなくわかるけど、具体的に何が違うのか、知らない人が多いのではないでしょーか

つーかクーベルチュールってなに、どういう意味?みたいな

今回はそんな、クーベルチュールチョコレートについて調べてみました

クーベルチュールチョコレートとは

クーベルチュール(couverture)とは、フランス語で「毛布、カバー、覆い」という意味

その名の通り、元々クーベルチュールチョコレートはチョコレートやケーキの装飾やコーティングに使われるためのチョコレートを指します

カカオバターが多いのが最大の特徴!

カカオバター(油脂分)が多い=流動性が高く扱いやすい=お菓子のコーティング向き

というわけで、パティスリーではクーベルチュールチョコレートを使う店が多くあります

クーベルチュールの規格

クーベルチュールチョコレートは、

①カカオバターが31%以上

②カカオマスが2.5%以上

③①、②の合計である総カカオ分が35%以上

という、ヨーロッパで定められている国際規格があります

ただこれは国際規格なので、日本で売られているクーベルチュール表記のチョコレート(特に国産のもの)の中には、この規格を満たさないものもあるので注意!

→国内の規格で最高品質である「純チョコレート」がクーベルチュールと表記されることがあるのですが、その純チョコレートの規格が

①カカオバター18%以上

②①とカカオマスの合計である総カカオ分が35%以上

③糖分(蔗糖に限る)55%以下、レシチン0.5%以下、水分3%以下

④レシチン・バニラ系香料以外の食品添加物が無添加で、ココアバター・乳脂肪分以外の脂肪分を使っていないこと

なので、国際規格のクーベルチュールチョコレートと比べてカカオバターが少ないものが多いのです

クーベルチュールチョコレートの有名なメーカー

クーベルチュールチョコレートを販売している有名なメーカーと、取り扱っているチョコレートを抜粋してご紹介っ

フランス

ヴェイス(weiss)社

・世界最高の産地からカカオ豆やフルーツを厳選し、豆の焙煎からチョコレート製造のあらゆるステップを自社のチョコレート工場で管理を行う数少ないメーカー

・原料のカカオ豆は味と香りのバランスを考え、最低3つの産地の豆をブレンド

・植物油脂、着色料、防腐剤等は一切使われてません

クーベルチュール ノワール エベヌ カカオ72%

→ベネズエラ・エクアドル・コートジボワール・トリニダッド産のカカオ豆のブレンド

酸味が少なくカカオの味と香りがストレートに味わえる ガナッシュ、ムース、タブレット、焼菓子などに

クーベルチュール ノワールアメールソコト カカオ62%

→エクアドル・ベネズエラ・トリニダッド・コートジボワール産のカカオ豆のブレンド

苦味がやさしくバランスのとれた味 ガナッシュ、ムース、タブレット、コーティング、焼き菓子、アイスクリーム、シャーベットなどに

ヴァローナ(VALRHONA)社

・豊かな風味をもつカカオ豆を得るために世界各地に契約農園を持ち、栽培から収穫、豆の選定、発酵、乾燥までを行うメーカー

・あらゆる個性をもつヴァローナのチョコレートに共通する点は、はっきりとした味、フレッシュなアロマ、口中にひろがる香りの余韻

ヴァローナ クーベルチュール グアナラ(カカオ70%)

→クリオロ種とトリニタリオ種のカカオ豆のブレンド

はっきりとした風味、南米地方特有の長く口の中に残る酸味と強く立ち上るアロマが特徴

ヴァローナ クーベルチュール カラク(カカオ56%)

→ナッツのような香ばしさとカカオテイストのバランスのよい風味が特徴

プラリュ(Pralus)社

・フランス国内においても数少ない、職人的なチョコレート製造を行うメーカーのひとつ

・フランスでもカカオ豆からショコラを作る職人的ショコラティエは、プラリュを含め3人しかいない

・ラデュレ、ジャンポールエヴァンなど、プロも愛用するチョコレートメーカー

クーベルチュール メリッサ・ミルク(カカオ45%)

→バニラとキャラメルの香りが際立ち、バランスが良いチョコレート

甘いスパイス香と口溶けの良さが特徴

カカオバリー(CACAO BARRY)社

・高品質のカカオ豆から生まれるカカオバリー社の製品は、世界中に多くのファンを持つ

・ベルギーチョコの代名詞とも呼ばれるカレボー社(CALLEBAUT)と合併して作られたバリーカレボー社(BARRY CALLEBAUT)は、世界最大のチョコレートメーカーとなる

クーベルチュール ミ・アメール(カカオ58%)

→なめらかで軽いスイートチョコレート

流動性に優れ、型抜きに最適

ベルギー

ベルコラーデ社(Belcolade)社

・世界90カ国のショコラティエ、パティシエが愛用しているメーカー

ベルコラーデ ノワール アンターンス(カカオ66%)

→日本のパティシエやショコラティエのために独自に開発したアンターンス・シリーズのノワールタイプ

落ち着いたくせのない風味でバランスの取れた仕上がりは、繊細な日本人の味覚に合うように作られている

スイス

マックス・フェルクリン(Max Felchlin)社

・1903年にスイスで誕生したチョコレートメーカーで、最高品質のミルクを産出するスイスアルプスの中心、シュイーツ市にある

・“Small is Beautiful”=”小さきことは美しさなり”をコンセプトに、あくまで少量高品質にこだわり、スイスの伝統的な手法で高品質なチョコレートを作り続けている世界で唯一のメーカー

エクアドル アリバ(カカオ72%)

→エクアドル、アリバ地方産のクリオロ種のみを使用

ドライプルーン、ブラックカラントの香りが特徴的

イタリア

ドモーリ(DOMORI)

・イタリア・トリノのチョコレートメーカー

・クーベルチュールメーカーとしてプロから愛され、一般向けのチョコレートはタブレットなどシンプルな形でお酒とのマリアージュを楽しめるようなものが多い

ドモーリ アプリマク(カカオ75%)

→白ワインを思わせるような華やかでロマンティックな香り

指定農園で大切に栽培されたカカオ豆をさらに選別し、最高品質のカカオ豆のみを原料にドモーリ社の厳しい生産管理の下で商品化された希少価値の高いチョコレート

日本

大東カカオ

・日本初の原料用チョコレートメーカーとして、数多くのクーベルチュールを生産、供給している

・練り込み、コーティング、焼成耐性のあるもの、染み込みやすいもの、デコレーション用など様々な用途に合った機能を持つチョコレートの開発も行なっている

クーベルチュール ソワブラン(カカオ35%)

→フランス産ミルクの生乳感と良質なココアバターによる穏やかなカカオの香りを持つ

甘さを抑えたホワイトタイプのクーベルチュールチョコレート

不二製油

・チョコレート用の油脂や、大豆たんぱくなどをつくる食品素材メーカー

チョコレート用油脂で国内トップシェアを誇っている企業

クーベルチュール スイートフレーク(カカオ58%)

→原料を厳選し、独自のロースト技術、ブレンド技術で練り上げた風味の高いクーベルチュールチョコレート

刻む手間が無く、計量もしやすいフレークタイプ

まとめ

クーベルチュールチョコレートについて調べてみました

クーベルチュールってなんとなく、パティスリーとかで使われてる製菓用チョコっていうイメージがあると思うけど

調べてみると細かく規格が決められていたりメーカーや種類もたくさんあって勉強になりました

国際規格と国内規格では結構差があるのが面白かった

ちなみに今この記事を書いてるのはバレンタイン直前です

今年は何を作ろうかなー

クーベルチュールを数種類ブレンドしていい感じにしていきたい所存

それではまたっ