材料の知識

バターが持つ3つの特性と、お菓子作りでの役割・効果を徹底解説!

ルークです

お菓子作りにおいて欠かせない材料のひとつ、バター

生地を作っているときにバターが一体どんな役割を担っているのか、またお菓子の仕上がりにどのような効果を発揮してくれるのか、知っておくことはかなり大事です

知識があると、扱いも正しくできるようになるし、レシピの応用もできるようになります◎

今回はお菓子を美味しく作るために、バターについて学んでいきましょー!

バターの基本知識

バターとは

バターは牛のミルクの脂肪分を集めて練り、かたまりにしたものです

200gのバターを作るためには約4.4ℓものミルクが必要な位、貴重な食材!

成分は乳脂肪が80%以上、水分17%以下で、加塩バターの場合は1.8%以下の食塩が加えられています

独特の風味があり、料理に使うと味の決め手にもなるバターですが、お菓子作りではバターが欠かせないものも多くあるくらい、料理よりよく使われる材料です

バターは主に有塩バターと無塩バターがあり、お菓子作りによく使われるのは無塩バターです

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また、クリームに乳酸菌を混ぜて発酵させたものを原料とした発酵バターも、お菓子作りではよく使われます◎

お菓子作りでのバターの役割と効果

さて、

あなたはお菓子作りにおいて、バターの果たす役割や効果にはどんなものがあると思いますか?

まずはシンプルに「味が良くなる」 これはありますよね!

バターには、ミルク由来の独特の香りやコクがあり、他の油では出せない味があります・・・バターだいしゅき

では、その他の役割というと・・・

お菓子作りをする方なら、「生地に空気を含ませてくれる」「クッキーがサクサクになる」「パイ生地が膨らむ」なんて答える方もいるのではないでしょうか?

そう、これらも全て、バターがもたらしてくれる効果!

実はバターには3つの特性があって、この特性の効果がお菓子作りにおいて重要になってくるのですっ

バターの「3つの特性」とは?

バターの特性は、

「可塑性」「ショートニング性」「クリーミング性」

の3つです

1つずつ説明していきますぞ〜〜

バターの「可塑性」

可塑性ってむずいのキタ!!なんぞや??って思いますよね?

可塑性は、固体に外から力を加えて変形させたとき、力を取り除いてもその形が残る性質のことです

簡単に言うと、例えば粘土のように、力によって自由に形を変えることのできる性質のことです

お菓子の世界で可塑性があるものの代表格といえばマジパンだけど、実はバターにも可塑性があります!

まず、バターは固体の脂と液体の脂で構成されていて、その比率は温度によって変化するのですが・・・

バターの固体脂の割合が15〜25%の状態が、一番可塑性のある状態となるんです

そして、その割合になる温度は何度かというと・・・13〜18度!!

そしてこの可塑性の効果をうまく利用しているのが、パイ生地!

小麦粉の生地にバターを折りこんでいくことで生地とバターの層を何層にも薄く作るパイ生地ですが、この折りこむときのバターは可塑性のある状態のものじゃないと、良いパイ生地にはなりません

バターが固すぎると生地の中でちぎれてしまうし、柔らかすぎると生地に混ざっていってしまいますよね・・・

生地に挟まれた均一なバターの層が、焼くときに溶けて生地との間ができることで、パイ特有のあの膨らみになるわけです!

「パイ生地作りは温度管理が大切!バターが溶けたら終わりだ!」とかよく言われるけども、これはバターの可塑性の問題があるからなんですね

バターの「ショートニング性」

ショートニング性は、可塑性のあるバターが生地の中で薄く広がり、バラバラに分散される性質のことです

上で説明した「可塑性」が関わっていて、可塑性のある温度帯のバター(13〜18度)が一番ショートニング性の効果を発揮します◎

この性質の効果を利用したのが、クッキーやタルト生地!

分散されたバターが小麦粉のグルテンの働きを弱めてくれるので、焼きあがった生地がサクサクになるという効果があります

「クッキーのバターをレシピより減らして作ったら、なんかガッチリした固い食感になっちゃった・・・」という経験のある方、いると思います

それは、バターのショートニング性の効果を、分量を減らしたことによって弱めてしまったことが原因なんです・・・!

反対にバター多めの配合のクッキーは、ショートニング性によってさくっほろっと、もろい食感にすることができるんです○

バターの「クリーミング性」

1番馴染みのある性質かもしれないっ

クリーミング性は、クリーム状のバターを撹拌すると空気を取り込む性質のことです!

クリーミング性によってバターに取り込まれた空気が焼いている間に膨張することで、ケーキがふんわり膨らむという効果があります

パウンドケーキなんかのバターケーキを作るとき、クリーム状のバターに砂糖を加えて空気を含ませるようによく混ぜる、という行程で作ることが多いかと思いますが・・・

砂糖を加えることでバターはより空気を抱き込みやすくなるので、砂糖を加えてしっかりと撹拌することで、ふんわりと膨らんだ美味しいバターケーキに仕上がります!

この特性を理解してしっかりバターに空気を含ませることができれば、生地にベーキングパウダーを入れなくてもしっかり膨らむバターケーキになります◎

一度溶けたバターは冷やしても元には戻らない

バターの3つの特性についてまとめましたが、共通して注意点が1つあります

それは、「一度溶けたバターは特性が失われる」ということ!

少し柔らかくしようとして、うっかり溶かしてしまった・・・!なんてバター、冷やせば再び固まりますが、見た目は戻ったように見えても中身の特性は失われたままなのです・・・

なので、バターの温度を調節するときはくれぐれも「柔らかくしすぎるor溶かしてしまう」ことのないように気をつけてあげましょう

この件について詳しく書いた記事もあるので、参考までに○

クッキーやパウンドケーキで溶かしてしまったバターは冷やしたら大丈夫なの?クッキーやパウンドケーキを作るとき、バターを柔らかくしようとしてうっかり溶かしてしまった・・・という経験は、ありませんか?溶かしてしまっても、冷やしたらまた使える?そもそもバターを柔らかくする意味って?などの疑問を解決。レンジでもバターをベストな状態にする方法もご紹介します!...

まとめ

バターの特性と、お菓子作りにおける役割・効果についてまとめたの巻でした

「バターと砂糖をしっかり混ぜるとふわふわになるのはなんでなんだろう」とか「パイ生地があんなによく膨らむのはなんでなんだろう」とか、疑問に思うことを調べてみると、全て理由があって、素材の持つ力と科学で説明できるんですよね・・・

調べるたびに、おお、すげぇ・・・!ってなる(語彙力)

何気なく作っているその行程、ひとつひとつに意味があるなんて、なんてステキ

それではまたっ